2013年04月01日

津軽 太宰治



津軽に生まれ、育った太宰治が、戦時下に約3週間かけて津軽地方を一周した「ふるさと再発見」の書。

これまで「太宰治」というと、小難しくて気難しい印象がありました。
「永遠に中二病まっただなか」な、激イタな感じです。

でも「津軽」を読んでそのイメージが変わりました。
太宰治、何だかユーモアをもっているのです。
それでいて、言っていることがわかりやすく、的確な気がします。
お皿に愚かしく積まれてある五切れのやきざかな(それはもう鯛ではない、単なるやきざかなだ)を眺めて、私は、泣きたく思った。

太宰が、道中、鯛を購入して(それを運んできたところが「奇怪の図」だそうな)、お宿に持込みました。
ぼんやりとした女中さんに「3つに切らなくていいから」と言ったら(一匹まるごと料理をしてほしかったらしい)五個に切られてできました♪と言うエピソードです。

それだけのことなのに、根にもってグチグチ言っているのが、自意識過剰ですよね。
でも、棘のある表現ではなく、笑いに昇華しているところが素晴らしい。

些細なことに気づく感受性をもち、気づいたことに傷つくだけではなく、笑いに昇華することを「ユーモア」というのでしょう。

太宰のように敏感な人間だったら、笑いに昇華しなければ苦しいだけのこと。
それが晩年になって(と、言っても30代後半ですが)、わかったのかもしれません。


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posted by けいけいあかか at 23:50 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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