2013年04月01日

津軽 太宰治



津軽に生まれ、育った太宰治が、戦時下に約3週間かけて津軽地方を一周した「ふるさと再発見」の書。

これまで「太宰治」というと、小難しくて気難しい印象がありました。
「永遠に中二病まっただなか」な、激イタな感じです。

でも「津軽」を読んでそのイメージが変わりました。
太宰治、何だかユーモアをもっているのです。
それでいて、言っていることがわかりやすく、的確な気がします。
お皿に愚かしく積まれてある五切れのやきざかな(それはもう鯛ではない、単なるやきざかなだ)を眺めて、私は、泣きたく思った。

太宰が、道中、鯛を購入して(それを運んできたところが「奇怪の図」だそうな)、お宿に持込みました。
ぼんやりとした女中さんに「3つに切らなくていいから」と言ったら(一匹まるごと料理をしてほしかったらしい)五個に切られてできました♪と言うエピソードです。

それだけのことなのに、根にもってグチグチ言っているのが、自意識過剰ですよね。
でも、棘のある表現ではなく、笑いに昇華しているところが素晴らしい。

些細なことに気づく感受性をもち、気づいたことに傷つくだけではなく、笑いに昇華することを「ユーモア」というのでしょう。

太宰のように敏感な人間だったら、笑いに昇華しなければ苦しいだけのこと。
それが晩年になって(と、言っても30代後半ですが)、わかったのかもしれません。


icon_amazon.gif津軽 (岩波文庫)

icon_rakuten.gif【送料無料】津軽 [ 太宰治 ] 
posted by けいけいあかか at 23:50 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月08日

木嶋佳苗 危険な愛の奥義 高橋ユキ


前回読んだ「毒婦」に続いてキジカナ本の第二弾。

表紙の「テレビや新聞では伝わらない法廷クライマックスを完全収録!」に惹かれて、手にとりました。

キジカナ氏の住んでいた池袋のマンション、泊まったホテル、デートしたお店の実名がでており、「キジカナ」にせまる参考になるのではないか?と思いまして。

自分が池袋から一駅のところに住んでおり、週の半分以上、池袋にいくのです。
池袋=地元なので、具体的な場所が判れば、より具体的なイメージが掴みやすいはずです。

でも、ますますわからなくなりました。

そもそも、キジカナが、セレブに憧れていたなら、なぜ池袋に住むのでしょう?
池袋って、手前味噌ですが「住めば都」です。
が、地方出身者が、憧れるような街では、けっしてありません。
東京のそれなりには知られた街の中で、一番敷居の低い町が、池袋のような気がします。

池袋の前に住んでいたのが、板橋なので「近くの都会」に引っ越したのでしょうか?
池袋をスルーして、もっと「セレブな街」に住むコトだってできるのに。

で、同じ池袋に住むなら、栄えているのは、池袋東口です。
キジカナの住んでいたマンションは池袋西口です。繁華街と、住宅街のちょうど境目です。
IWGP(石田衣良さんの池袋ウエストゲートパーク)で、ちょっとは知られるようになったものの、
「にぎやかさ」「華やかさ」では、池袋東口にかないません。

都会のにぎやかさ、華やかさに惹かれたのではないのかもしれません。

しかも、池袋警察署(池袋のある豊島区で、一番大きい警察署)は、道のはす向かいにあります。
消防署だって、池袋警察署の目の前にあるのです。
「お巡りさんや、消防署の近くなら安心ね♪」とでも思ったのでしょうか?

そして、池袋警察署を真ん中にして、反対の場所に、キジカナがよく使っていたホテルメトロポリタンがあります。自宅から、3分も歩かない距離ですよ。

池袋の高級ホテル、と言えば、このホテルメトロポリタンと、池袋東口に「太陽光王子様ホテル」があります。

自宅にあげるのはどうかと思う相手と、ホテルを利用する、というのはわかります。
だったら、同じようなグレードのホテルでも、遠いほう(太陽光王子様ホテル)を選びそうなものを、なぜ、自宅から歩いて3分、警察署も近いホテルメトロポリタンなのでしょう?

デートの場所も、にぎやかな池袋東口にいくでもなく、池袋西口にある東武デパートだったりします。
東武は、西武デパートに比べて、地味なイメージです。
恋人たちのお宿密集街が近いから、そういう選択になるのでしょうか?

もっと言えば、つきあって間もない男性と、自宅のある池袋で会わなくても、新宿でも、渋谷でもいいのに、なぜ、池袋西口をうろちょろするのでしょうか?

慣れていない場所には、行きたくないのかも知れません。

そう思うと、キジカナが小心者のようにも思えてきました。

icon_rakuten.gif【送料無料】木嶋佳苗 危険な愛の奥義
icon_amazon.gif木嶋佳苗 危険な愛の奥義
posted by けいけいあかか at 00:01 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月12日

できる人は満員電車に乗らない 松尾昭人



「本が好き」さんから献本をしていただきました。
「ビジネス人生の赤本」をキャッチコピーに、今すぐ実行できる成功法則がつまっています。

著者の松尾昭人さんは、企業コンサルタント、セミナープロデューサーとして成功をされている方です。
この手の成功本には「おっしゃっていることはわかります。でも、実践は、厳しいです」と言ったこと書かれていることが多いです。

しかし「できるひとは満員電車に乗らない」は、今から実践できることが、たくさんあります。

お金持ちになってから買う!、では遅い
「平等でない」という不満は、ナンセンス

など、自分を含めて、うまくいっていない方にありがちな考え方、発想、脳のあり方を指摘してくれ、じゃあ、どう考え、実践すればいいのか、をへいたんな言葉で伝えてくれます。

ひとつひとつはかんたんなことなので「いいものを身につけ、それを取り戻そうする」から、はじめます。

icon_rakuten.gif【送料無料】できる人は満員電車に乗らない
icon_amazon.gifできる人は満員電車に乗らない
posted by けいけいあかか at 08:03 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

刑務所なう。 ホリエモンの獄中日記195日 堀江貴文



すったもんだもんだの挙げ句、刑務所で懲役を迎えることになったホリエモンの獄中日記。
刑務所の中から、本を出版してしまうなんて、すごいですよね。

人は環境に応じて、幸せの閾値が下がるみたいです。

キンキンな麦茶が嬉しかったり、湯船につかってほっとしたり、コーラがおいしかったり、カップラーメンを楽しみにしたり。

堀江氏の生活をおそばで観察していた訳ではないので、何とも言えませんが、上記のような「幸せ」は、たいていのシャバ暮らしの人間なら、当たり前のように受取っているものです。

堀江氏にとっても、さほどありがたみを感じるようなできことでは、なかったのではないでしょうか?
それが「生きている喜び」くらいの表現で、生き生きと描かれており、何だかせつなくなりました。

刑務所としても「悪いことはしちゃいけない!二度と戻ってこない」と、囚人たちに思わせるために、あえて、不自由な生活を送らせている面はあるでしょうが。

それでも、前向きになれる要素をかき集め、ポジティブになっているホリエモンは、偉大です。
刑務所のブランディングを考えているなんて、素敵すぎます。

出所してきたときに「童貞力」を蓄積させ、エネルギーを貯めたホリエモンがどんなことをしてくれるのか、今から楽しみです(* ̄∇ ̄*)

icon_rakuten.gif【送料無料】刑務所なう。
icon_amazon.gif刑務所なう。




posted by けいけいあかか at 23:54 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月19日

その後とその前 瀬戸内寂聴 さだまさし

さだ:忘れられるって才能なんですね。
寂聴:忘れられるって、才能ね。忘れてはならない大切なことも忘れるのは却罰ですよ。

「本が好き!」さんから、献本していただきました。
少し前に、日経新聞での「奇縁まんだら」の連載を卒業された尼の瀬戸内寂聴さんと、「北の国から」のテーマでおなじみさだまさしさんの対談集です。

最初はなぜ、このふたり?と思ったのですが、読み進んでいくと、しっくりくるようになりました。

そしてこの台詞のように「忘れられる」って、才能なのです。
ちょっと前まで、一般企業のweb担当として、働いておりまして。
会社の幹部の方たちとお話をさせていただく機会がありました(中小企業ですが)

会社の幹部になる方たちは、たいてい「忘れられる才能」をお持ちです(*ノ-;*)
「この前こうおっしゃったから、こうしたのですよ」とそれとなくお伝えしても、「覚えていない」だそうで。(最終的には、その指示を受けいれた自分の責任ですが)
上にいらっしゃる方たちほど、この傾向が強くて。
(忘れたことにしているのかもしれませんが。)

ああ。「忘れられる」って、組織の中で出世をするための条件なんだーと悟りました。

よく言えば「臨機応変な対応ができる」「昔の自分にとらわれていない」のです。
だからこそ、過去のしがらみを気にせず、今すべきことに集中でき、道がひらけてくるのでしょう。
そして、出世をする訳です。

でもでもでも。
瀬戸内寂聴さんのおっしゃるように「忘れてはいけないこと」もあるのです。

兵庫県淡路島にある「北淡震災記念公園」の「野島断層記念館」は、雨漏りがひどいのに、予算がつかずに、なかなか修理できないそうです。(2011年夏に訪れたさい、スタッフの方がおっしゃっておりました)
まだ阪神大震災から17年しか経っていないのに、すっかり忘れている訳です。

日本人は、忘れることによって、前を向いてきた面はあります。

しかし、水に流してはいけないこともあって。
自分は覚えるべきところは、しつこく、しつこく、こだわって、覚えていきます。

icon_rakuten.gif【送料無料】その後とその前
icon_amazon.gifその後とその前
posted by けいけいあかか at 01:00 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月01日

野宿入門 かとうちあき

そうじゃなくて、やろうと思いさえすれば、なんでもできるし、なんでも面白い。野宿はそんなことにも、気づかせてくれます。そしてなにより、なんでもおもしろがり「愉しむ力」を育ててくれる(引用)


「野宿入門」は、かとうちあきさんという、高い「野宿スキル」をもった女性が、あの手、この手で、ゆるーく『野宿』をすすめている本です。

わたしは、バイク乗りで、旅人で、ひとり旅大好きで、北海道で、ひとりキャンプをします。
バイクにキャンプ道具を積んで旅して「疲れたら、どこでも寝れる」安心感と「好きなだけ走れる」充実感は、なかなか得られるものではありません。

キャンプ場で、刻々と変わっていくと変わって空の色を眺め、ビールを飲み「自由っていいな」と思うのは至福の時です。

そんなわたしですが「野宿」は一度もしたことがありません。

旅人や、野宿の世界を知らない方たちにとっては「ひとりキャンプも、野宿も同じ」なのでしょうが、野宿未経験のわたしとっては「ひとりキャンプ」と「野宿」の間には高くて超えられない壁があります。
まあ、超えようとも思っていないのですが。

ただ、そんな壁を軽々とのり越えている方の話を聞いてみたくて、この本を手にとりました。
野宿をしないわたしが「常識にとらわれた、つまらない人間」のようにも思えました。

でも、野宿はしたって、しなくたっていいのです。
引用のように、「野宿」がかとうちあきさんにとっては、なんでも面白がる、愉しむ力を育ててくれるものだったのではないでしょうか?

かとうちあきさんにとっての「野宿」が、わたしにとっては「バイクに乗って旅にでること」です。

そういったことを教えてもらえる「何か」を持っている方は、それでいいでしょう。
まだ、お持ちでない方は、野宿をしてみては^^


icon_rakuten.gif【送料無料】野宿入門
icon_amazon.gif野宿入門
posted by けいけいあかか at 22:37 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

第五番 久坂部羊

為頼は思う。これまでの自分は、懸命にいろいろなものを見ようとしてきた。そのほうがいい結果につながると思ったから。しかし、見えないほうがいいこともあるのかもしれない。何も見ずに、できるだけのことをする。そういう生き方もある。
為頼はふじ着な気持ちで菜見子を見返した。言わなければならないことは話した。それで思わぬ方向に話が進むのなら、受入れる以外にない。
「希望」とは、もともとそういうものなのだから。(引用)


「廃用身」「破裂」「無痛」と、医師だからこそ書ける医療、高齢者問題を扱ってきた久坂部羊氏の最新作です。
久坂部羊さんの小説が気になって、新作がでるたびに読んできました。
「本が好き!」さんで「第五番」が、献本されていたので応募して、頂戴しました。

「無痛」の続編にあたる「第五番」は、「新型カポジ肉腫」というウィルス性の病気が、日本で同時多発的に発生をし、医師、患者、WHO、厚生労働省、画家が絡んで、すったもんだする、という話です。

お医者さんの、せこさと偉大さ、保身と挑戦、特異体質に生まれてきた悲しみ、支えようとするエゴとやさしさ、他人をコントロールをしようとする邪悪さ、芸術のために、他人を踏みにじる傲慢さなど、わたしには、テーマが多すぎて、消化しきれていません。

そんな中で、こゝろに残ったのが、引用をした為頼の台詞です。

為頼は、人間の外見をみれば、外にでている兆候で、病気が診断できる医師です。
今回の「新型カポジ肉腫」も、そういった診断力を武器に、原因と治療法を導きだします。

そして紆余曲折を経て「何も見ずに、できるだけのことをする。そういう生き方もある。」としたのです。
「懸命にいろいろなものを見よう」「そうしたほうがいい結果につながる」と、思っていたのに。

こういった諦観は、必要でしょう。
思うに、ここ15年で「見ておいたほうがよいこと」は格段に増えました。

インターネットはどうやってつながるの?スマフォのアプリ使いこなさなきゃ!
twitter、SNSはどういう仕組み?ブログって古いの?など。

ただ、見なくたって、生きていけることでもあるのです。
15年前には、知らなくたって、平気で生活していました。
少なくとも、わたしはそうでした。

情報に振回され、不安になって、おろおろするくらいなら、「何も見ずに、できるだけのことをする」と、決めてしまったほうが、こゝろ安らかに、穏やかな日々をおくれます。

受入れる以外のないものを「見よう見よう」として、苦しんでいる気がします。

同じ「受入れる」にしても、「インターネットを遮断して生きていく」「仕組みはわかりませんが、アカウントをつくって、つぶやく」など、「受入れ方」は様々で、自分にあった「何も見ずに、できるだけのことをする」とすればよいでしょう。

そうしたほうが、幸せになれます。きっと。

icon_rakuten.gif楽天で「【送料無料】第五番」の詳細をみる
icon_amazon.gifAmazonで「第五番」の詳細をみる
タグ:久坂部羊
posted by けいけいあかか at 20:38 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月03日

池袋チャイナタウン 都内最大の新華僑街の実像に迫る 山下清海



最近、ノマドワーカーになり、池袋エリアで無線LAN(ネット環境)を求め自転車で彷徨っております。
だから「池袋」の話題には興味があるのです。

池袋には、雑多なものが混じり合って、それぞれ存在を認め、「池袋にいてはいけない人」がいない街の気がします。
公園で暮らす猫ちゃんにだって、歓楽街の住民が、毎日のようにえさをあげてるのです。

思えば、池袋は異質なものを受入れ、育て、文化に育ててきた街なのではないでしょうか。
(異質なものが、世間的に見て「治安が悪い」と見られている面もありますが)

BL(Boys Loveの略。男子同士の恋話)を主力にする「乙女ロード」
B級グルメの「ラーメンや、つけ麺」
最狂の文豪「江戸川乱歩」
少し距離がありますが、「トキワ荘の漫画家たち(手塚治虫、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、藤子不二雄)」
池袋モンパルナスと呼ばれた「アトリエ村」

池袋にはそういった「異質なものを受け入れ文化に育てる力」があるように思います。

そして、池袋駅北口エリアには、中国人が多く暮らすエリアがあります。
確かに「中国語のお店が多いよねー」「日本人の存在を気にしてないお店があります」とは思っていたのですが、「都内最大の新華僑街」になっていたとは、まったくもって知りませんでした( ̄□ ̄;)

「異質なものを受け入れ文化に育てる池袋」だから「池袋チャイナタウン」も、ここまで育ってきたのではないでしょうか?

ただ「池袋チャイナタウン」を読むと、「池袋チャイナタウン」は岐路に立っているようです。

「異質なものを受け入れ文化に育てる力」が、日本人限定で、中国人には作用しないとなると、人種差別のようで、何だか悲しい気がします。

わたしの愛する池袋は、そんな懐の狭い街ではないと信じたいです。

池袋チャイナタウンでランチを食べることから、はじめます。

icon_rakuten.gif楽天で「【送料無料】池袋チャイナタウン」の詳細を探す
icon_amazon.gifAmazonで「池袋チャイナタウン 〜都内最大の新華僑街の実像に迫る」の詳細を探す
posted by けいけいあかか at 13:52 | Comment(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。