2013年03月24日

人間失格 古屋兎丸(原案:太宰治)

年末年始にはまった古屋兎丸氏が、あの太宰治の「人間失格」を脚色して漫画にした作品です。

自分は天才なのです。女に寄生する天才・・・僕にはもうこれしか生きていくすべがないのです(葉蔵)

俺の見てきた中で最低の男だマジで・・・なのに、どうして女はお前を助ける?(堀木)
確かに、葉蔵みたいな人って実在しますよね。
「女の人に寄生する天才」とはいかなくても、「女の人に引立ててもらう天才」が。
今までいた場所で、ひとりづつはいました。

そんな「葉蔵くん」を引立てるのは、世の中に、あまたと存在する母性本能をもてあましている女性です。
「誰かに何かをしてあげたくて、しょうがない!」という方たちです。

そんなところに「葉蔵くん」は、すっぽりはまるようです。
どうってことがなさそうな「葉蔵くん」のライブに、せっせと通ったりします。

「葉蔵くん」タイプに、まったく母性を感じない自分からすると「そんなに尽くして、楽しいの?」なのですが、ついつい支えたくなってしまうようです。
どう見たって「片利共生」なのですが、本人たちは意に介しません。

「何かを他人にしてあげる」は、自己満足なので、寄生されている本人が、それでよければ、それでいいのでしょう。

「葉蔵くん」も、寄生する術を心得ているので、適度にお礼をしたり、受けた恩を(何十分の一でも)返そう!という気はあるし、骨までしゃぶるようなことはしません。

下駄を履かせてもらっていることを承知の上で、上手に活用するならよいのですが、「自分の実力」と勘違いしている「葉蔵くん」が多い気がします。

そうこうしているうちに、「葉蔵くん」が、本当の「実力」「人間性」を身につけ、引立ててくれる人と、トラブルを起こすことなく、無事に卒業できるか、否かで、「葉蔵くん」の、その後の人生が大きく決まる気がしますね。

今までであった「葉蔵くん」の末路が気になります。

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2013年03月23日

戦場のメリークリスマス 大島渚監督



大島渚監督の追悼上映がご近所でされていたので、みてきました。
この「戦場のメリークリスマス」は、自分が小学生の頃に、色物or傑作と評価が分かれた作品です。
地元での上映は何かのご縁!として、見てきました。

第二次世界大戦末期のジャワにある日本軍の俘虜キャンプで起こるあれこれのお話です。
物語は4人の男たちを軸にすすんでいきます。

叩き上げで暴力的でも人間味あふれる鬼軍曹:ハラ。
2.26事件に加われず、死に場所を求めているであろう過酷な俘虜施設にはインテリ、デリケート、かつナイーブ過ぎるヨノイ大佐。
酸いも甘いも噛み分けた日本シンパのローレンス。
弟を守ってやれなかった罪悪感を抱えているデビット・ボウイ演じるセルビア。

誰もが「I'm right(わたしは正しい!)」と信じ、ぶつかるのですが、「正しいもの」は、その時の権力によって変わるので、「正しいものなど、どこにもない」のです。

要所要所で、音楽が右脳に響いて、感情が説得されます。
鎮魂と、許容(受容ではない)の念が、心にストンと落ちてきます。

それにしても、動かされるものと、変えられないものとがありますよね。

ヨノイが首だけ地上にだされた(見せしめ?)セルビアの遺髪を、切り取るシーン。
組織の秩序を守りながらも、どうしょうもない思いをみせるシーン

ラストにローレンスが「わたしなら、あなたを助けることができないわけではない」と言う台詞に被せるように「I'm ready to die(死ぬ準備(覚悟?)はできている).tomorrow morning」とハラが言うシーン。
お互いに、分かりあえないのがわかって、その人が己の信じる道を全うするため、死を尊重するしかないやるせな。
不器用なハラが、精一杯気持ちを伝えようとする「メリークリスマス、Mr.ローレンス」とくり返すぎこちない笑顔と言葉。
「笑うしかない」という状況なのです。

同胞に「俺だったら、ハラきりしているよ」と言われながらも、見せしめにされるセルビアを見張るローレンス。
そして、ローレンスだけが生き残った現実。
己の道を貫いて、生延びるのが正しいのか、死をもって自分の道を貫くのか?

戦いは、それぞれの「正しいこと」のみを貫こうをする時に、起きることなのでしょう。
己の信じることをまっとうする姿が、鋭利な刃物のように、美しかったりするのかもしれません。

「わたしが正しいんだー」と主張したくなった時に、♪チャララララ♪と頭の中に響きそうです (ー_ーゞ

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2013年03月22日

愛のコリーダ 大島渚監督

ご近所の名画座で「大島渚監督追悼上映」をしていたので、「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」を見てきました。
あの「阿部定事件」を題材にしている!ときいていたので、たいそう下世話な興味を抱き、映画鑑賞にでむいたのです。


少なく見積もって、全編の8割は、おふたりが情事をしています!と言う映画でした( ̄▽ ̄;)
匂いたつような官能が、スクリーンから漂ってきました

最初は、料亭の旦那が、新入りの女中さんに手をだして・・・、というよくある話です。
「攻める男」「受ける女」という構図でした。

それがいつしか、定の一途さ、狂気、独占欲によって「攻める女」「受ける男」に変わっていきます。
どれだけ、女性が無茶をしても、受入れる男性の懐の深さが強調されています。
大島監督は「男女の究極の情愛」を描いたようで「男の美しさ」を描きたかったのかもしれません。

そして、男は女に絞め殺されることも、受入れるのです。
色々な解釈があるとは思いますが、あのふたりは、行き着くところまで、行き着いて、幸せだったと思います。

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2013年01月17日

 映画『アルマジロ(ヤヌス・メッツ監督)』公開直前トークイベントに行ってきました

2013年1月15日に、渋谷アップリンクで開催された「先行上映会」に行ってきました。
「戦争映画のドキュメンタリー」「オウムのドキュメント『A』『A2』の森達也監督が、トークショーのゲストとしてこられること」に惹かれて、渋谷までおでかけしてきました。

感想を端的に言うと「これも、戦争か?」でした。

「アルマジロ」は、デンマーク映画で、デンマークには徴兵制度があって(と、見終わってから知りました)、それにしたって「沢山のことを学べる。大きなチャレンジだし、冒険でもある」という理由で、あえて危険な任務を選ぶことに違和感を覚え。

さらに、映画にでていた徴兵された若い青年(兵士)たちが、任期が終了したあとに、ひとりをのぞいて「アフガンに戻った」「アフガンに戻りたい」と言っていることに、「何で??」と疑問を覚えました。

その間をつなぐ映像はリアルなのですが、どこか現実感がもてませんでした。
戦場(緩衝地帯なのでしょうが)にいたって、日常の延長にいるというか。

インターネットでエロサイトを見て、興奮する兵士たち
家族とケータイで日常的な会話をする兵士たち(その背景には、戦場が広がるのですが)
最前線にいても「早く戦闘がしたい!」というようなことを言ったり。

そんなに刺激が欲しいのでしょうか?

わたしが、日本でみてきた「戦争」は、悲惨で、空腹で、しんどくって、悲しくて、無力で、無様で、でも、芯の通った揺るぎなさのあるものでした。
そのように、洗脳されてきたのかも知れません。

それに比べて、このデンマーク兵たちの軽さは、いったい何なのでしょうか?

「これも戦争なのか?」
頭から、この疑問が離れません。
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2013年01月14日

映画『ニッポンの、みせものやさん』奥谷洋一郎監督

新宿の「K's cinema(ケイズシネマ)(新宿ケイズ・シネマ)」で映画『ニッポンの、みせものやさん』奥谷洋一郎監督をみてきました。

寺山修司の作品、丸尾末広の少女椿にでてきた「見世物小屋」に興味津々で。
怖いものみたさ、異系への憧憬、醸し出されるアングラな雰囲気などに、惹かれました。

でも、であうことが叶わず、すっかり熱も冷め、忘却の彼方に飛んでおりました。
別の映画を見たく「K's cinema(ケイズシネマ)」さんのホームページを見ていたところ「ニッポンの、みせものやさん」を見つけてしまい、「見世物小屋」熱がぶり返しまして。

「見世物小屋」を知るよいチャンス!と、新宿までおでかけしてきました。

『ニッポンの、みせものやさん』は、「見世物小屋」の歴史、仮設興行の遷移の概要がわかり、そこで生きる人々の生活が垣間みれて、好奇心が満たされました。

上演後のトークショーで奥谷洋一郎監督が「大寅興行社さんも、商売上手なところがあって」「ぼくたちは、子供扱いされていたところがあって」と、おっしゃっていました。

確かに
「裏社会の方たちは絡んでいないのですか?」
「みんな一緒に暮らしていて、男女関係がすごいことになりませんか?」
「映画『エレファントマン』を見て、どう思いますか?」
「大夫さんは、どのような一生を送るのですか?」
など、自分が知りたくてしょうがない部分に、突っ込んでくれない残念感はあるのです。

奥谷洋一郎監督自身も、撮り足りなかったと、感じている部分があるのかも知れません。

それを含めても、おもしろかった。

ほんものの「見世物小屋」を見にいく!そう決意しました( ̄^ ̄)ゞ

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2012年05月27日

「ギリギリの女たち」試写会レビュー

web diceさんで、「ギリギリの女たち(小林政広氏脚本/監督)」のレビュアーを募集しておりまして。
応募をして、当たったので、お邪魔をしてきました

両親亡き後、高校生だった三女を気仙沼に残し、生家を捨て、でていった長女と次女。
長女と、次女、そして三女が、それぞれの事情を抱え、実家に戻ってくるところから物語ははじまります。

姉妹が別々に暮らすようになってから15年、紆余曲折がありました。

中でも、「かよわい女を売りに生きてきた」というワンピースの似合う(ある程度の年齢になって、ワンピースを着るのは、生活の余裕があったり、「女性であること」を大切にする方のように思います。)次女に注目しました。

「かよわさを売りにしないで」「ワンピースも着ずに」生きてきたので、こういった女性が気になりまして。

そして、思いました。
一番強いのは、こうした女性なんだ!と。

長女は、まだ、自分を見失っています。
三女は、恨みに恨んだ長女、次女を受入れつつ「野良猫(犬だったかも)」根性で生きていこうとします。

次女は…
「忘れるー、生きるー(以下、前向き宣言続く)」と。
しかも、所持金0円で。

一番頼りなげな、かよわそうな次女が、一番強いのです。
今までの経験上、こういった女性って、本当に強いです。
かばってあげる必要ないくらい、強いです。

そこを勘違いしている男性は、多いです(苦笑)

でも、その強さは、今は別居しているとは言え「母」だからなのかもしれません。
だからこそ「男をつくるー。子を産むー。」という発想につながります。

男をつくったことはあっても、子どもを生み、育てた経験のない長女、三女には、この発想がありません。

やはり、母は一番つよいです。

あとは「生きる」って、「食べる」ことだ、と思いました。
「おなかがすく」のは「食べたい」からで、「食べたい」のは「生きたい」からなのだと思います。

「おなかがすいた」を口にするのは、次女です。
何度となく、食事のシーンがでてきますが、いちばんよく食べているのは、やはり次女(苦笑)
母つよし。

最後のほうでは、長女もおにぎりを口にしていた気がするので、「生きる」体制になったのでしょう。

食べるー、生きるー、そんな気になりました。
タグ:小林政広
posted by けいけいあかか at 10:52 | Comment(0) | 映画のレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月08日

映画「キリン POINT OF NO-RETURN!」監督:大鶴義丹 原作:東本昌平

バイク漫画の名作を、映画化した「キリン POINT OF NO-RETURN!」をみてきました。

▼東本昌平氏による原作の漫画

「キリン」と言えば、バイク乗りなら一度は耳にしたことがあるバイク漫画の金字塔です。

「バイク乗りになったからには、『キリン』を、いつかは読まねば…。」と思いながら、ここまできてしまいました(T-T*)

それが、映画化されて、おうちから自転車圏内の池袋で単館上映されるのです。
このチャンスを逃す手はありません。

喜び勇んでレディースデーに「キリン POINT OF NO-RETURN!」をみてきました!

「キリン POINT OF NO-RETURN!」を見ていると、次から次へと、いろいろな感情や、気持ち、が湧きでてきました。

特に心に残ったのが、チョースケとよばれる若者に言った、キリンの台詞です。
「お前がうらやましいよ。俺は怒る前に受入れてしまう。」

若いときって、無知が故に大きくでます。傲慢だったりします。
大人になり、世の中がわかると、キーキー言うのも大人げないと、多少理不尽がなことでも、「そう言うものだ」と受入れてしまいます。
それを成長したとも言うのですが、そういう自分が嫌だったりもします。

原作を読んでいないので、バイク歴20年弱のアラフォー女子バイク乗りが、映画「キリン POINT OF NO-RETURN!」をみたレビューです。
原作を読んで、思い入れの強い方は、別の感想があるとは思います。

バイク乗り、ライダーだったら、共感できる部分があって、楽しめるでしょう。

icon_rakuten.gif楽天で「【新品】キリン<1-39巻 最新刊>東本昌平」の詳細をみる
icon_renta.gif「電子貸本 Renta!」でキリンの電子コミックを1冊105円で、レンタルする
「電子貸本 Renta!」さんの使用感
posted by けいけいあかか at 00:12 | Comment(0) | 映画のレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月05日

プリピャチ ニコラス・ゲイハルター監督

2012年2月に、渋谷アップリンクさんの試写会で、映画「プリピャチ」を見てきました。
「プリピャチ」とは、チェルノブイリ原発所から約4kmに位置する町で、1986年の原発事故後は、許可のない立入りは制限をされています。

映画「プリピャチ」は、その立入り制限で、生きる人々を記録しています。

「プリピャチ」を見れば、原発や、放射能について「何か」が分かると思ってました。
「プリピャチ」を見て、原発や、放射能について、ますます分からなくなりました。

映画の中(=プリピャチの町)で「ここは放射能の値が高い」と言われても、目に見えないので「?」と、なり。

老女の「家を空けると、すぐ誰かが、家の周りをうろついている」という話をきき、専門家のかっての住処が荒らされているのを見ると「放射能より、人間が怖い」と思い。

専門家の方が「ここには150年かかっても人間が住めるようにはならない」とおっしゃっても、戦後60年たった広島と長崎では、人間が暮らしている事実があり。
(量だとか、質だとかが違うのかもしれませんが)

プリピャチで、プリピャチで捕った魚を食べ、プリピャチで汲んだ水を飲み、プリピャチで取ったきのこを食べ、たんたんと日常生活を送っている老夫婦がいらっしゃり、「平気なのでは?」と変に、前向きになり。

原子力発電所で働く方が「事故はわたしが起こさせません!」と言っても、福島で事故が起きてしまったことを考え。
(プリピャチと、福島は、別のことなのですが)

何が何だか、ますますわからなくなりました。

わからないなりに、印象に残ったのが、プリピャチに戻って暮らす老夫婦の言葉でした。

「ここで生まれて、ここで育った。ここにいたい」という趣旨のことをおっしゃっていました。

彼らも、放射能汚染の危険性は認識をしています。

起こってしまった変化を運命として受入れて、何かを、誰かを憎む訳でもなく、「プリピャチにいたい」気持ちを優先させ、たんたんと日常をおくっているようです。

どれだけ、いろんな知識を集めても、勉強をしても、原発や放射能について100%理解できることなんてないでしょう。

彼らの姿を見て、情報や知識に振回され、右往左往するのは愚かしいことのような気がしてきました。

ある程度は知識を知る努力をして、ある程度以上は、達観するというか。

ただ、自分は、まだ、達観するほど知識を得ていないのです
「ますます、分からなくなった」なりに、勉強をします。

▼『プリピャチ』ニコラス・ゲイハルター監督の他の作品

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▼原子力(原爆・原発)に関する場所訪問記(旅ブログにリンク)
icon_af.gif浜岡原発(外の見学のみ)
icon_af.gif広島の原爆ドーム(夜に見学)
icon_af.gif広島平和記念資料館
icon_af.gif長崎平和公園
icon_af.gif東京電力サービスホール(柏崎原子力発電所)
タグ:プリピャチ
posted by けいけいあかか at 12:54 | Comment(0) | 映画のレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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